大村はま先生が先月17日に亡くなられ、偉業を讃える報道が毎日のように流れているが、先日夜のNHKニュース解説で彼女のすばらしい詩が読み上げられていた。いつ発表されたものなのだろう?わかる方がいらしたら、教えていただきたい。
ゆとり、学力とゆらぎ続けている教育界に目を覚まさせてくれる内容だ。今日放映された同名タイトルの再放送は、彼女の教師歴を追いながらのインタビューを中心としたものだった。最後に同内容の講演が少々紹介されていたが、とうとう最後までのこの詩は流れなかった。
宮澤賢治が農民たちの中で「雨ニモマケズ」を遺したように、大村はまは教室の生徒たちの中で「優劣のかなたに」を遺したのだなと感じ入った。
優劣のかなたに
大村 はま
優か 劣か
そんなことが 話題になる、
そんなすきまのない
つきつめた。
持てるものを
持たせられたものを
出し切り、
生かし切っている
そんな姿こそ。
優か劣か、
自分はいわゆるできる子なのか
できない子なのか、
そんなことを
教師も子どもも
しばし忘れている。
思うすきまもなく
学びひたり
教えひたっている、
そんな世界を
見つめてきた。
一心に 学びひたり
教えひたる、
それは 優劣のかなた。
ほんとうに 持っているものを生かし、
授かっているものに目覚め、
打ち込んで学ぶ。
優劣を論じあい
気にしあう世界ではない、
優劣を忘れて
持っているものを出し切っている。
できるできないを
気にしすぎていて、
持っているものが
出し切れていないのではないか。
授かっているものが
生かし切れていないのではないか。
成績をつけなければ、
合格者をきめなければ、
それはそれだけの世界。
それがのり越えられず、
教師も子どもも
優劣のなかで
あえいでいる。
学びひたり
教えひたろう
優劣のかなたで。
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