作成者: Nonky

福井人・白川靜博士

白川博士を紹介する西川福井県知事

明治人の迫力を感じた。95歳にして矍鑠として、説得力のある講演であった。
30分を残して時間を気にされた意味は何だったのだろう?
それまでの博士の御専門ではない素材を使っての日本語表記が確立するまでの説明も、大変意義深いものであった。
スムーズに本日講演の趣旨である現在の文字教育の問題点の結論にある程度行きついてしまったからなのか? とも、当初は会場の楽しい笑いとともに感じたが、最終的に考えるとどうも違ったのではないかとも思い始めている。
残り30分を残してから、漢字の成り立ちをもとに、現代の文字教育の問題点を語り始めたわけで、ここからが博士の真骨頂だったわけだ。ペンをもって、まるで普通の文字を書くように、すらすらと甲骨文字を書き込んでいく姿にはまいった。もっと俺にこの説明をさせろ、という意味だったのかもしれない。講演会の要旨はこちらへ

「優劣のかなたに(大村はま)」はいつ、どこで発表されたのですか?

大村はま先生

 大村はま先生が先月17日に亡くなられ、偉業を讃える報道が毎日のように流れているが、先日夜のNHKニュース解説で彼女のすばらしい詩が読み上げられていた。いつ発表されたものなのだろう?わかる方がいらしたら、教えていただきたい。
ゆとり、学力とゆらぎ続けている教育界に目を覚まさせてくれる内容だ。今日放映された同名タイトルの再放送は、彼女の教師歴を追いながらのインタビューを中心としたものだった。最後に同内容の講演が少々紹介されていたが、とうとう最後までのこの詩は流れなかった。
宮澤賢治が農民たちの中で「雨ニモマケズ」を遺したように、大村はまは教室の生徒たちの中で「優劣のかなたに」を遺したのだなと感じ入った。

優劣のかなたに
大村 はま

優か 劣か
そんなことが 話題になる、
そんなすきまのない
つきつめた。

持てるものを
持たせられたものを
出し切り、
生かし切っている
そんな姿こそ。

優か劣か、
自分はいわゆるできる子なのか
できない子なのか、
そんなことを
教師も子どもも
しばし忘れている。

思うすきまもなく
学びひたり
教えひたっている、
そんな世界を
見つめてきた。

一心に 学びひたり
教えひたる、
それは 優劣のかなた。
ほんとうに 持っているものを生かし、
授かっているものに目覚め、
打ち込んで学ぶ。
優劣を論じあい
気にしあう世界ではない、
優劣を忘れて
持っているものを出し切っている。

できるできないを
気にしすぎていて、
持っているものが
出し切れていないのではないか。
授かっているものが
生かし切れていないのではないか。

成績をつけなければ、
合格者をきめなければ、
それはそれだけの世界。
それがのり越えられず、
教師も子どもも
優劣のなかで
あえいでいる。

学びひたり
教えひたろう
優劣のかなたで。

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