映画『長安三万里』のおかげで『詩経』に新しいレパートリーができました。
李白が高適と出会い共に向かったのは黄鶴楼。四川から旅を共にしてきた呉指南が亡くなり、彼の遺骨を黄鶴楼の近くに改葬するためでした。
李白が改葬した墓の前で吟じたのが、この『詩経国風秦風』の『黄鳥』でした。映画の中では一部分でしたが、Wechatに全体(といっても殉死した子車氏の3子それぞれで各章となっているため3分の1)を琴の伴奏で吟誦している動画を見つけ採譜させていただきました。
『詩経』の各篇は成立年の明確でないものがほとんどですが、この『黄鳥』は、秦14世の穆公やその殉葬された人物名まで明確なため、成立時期の最も明確な一篇とされています。この時177人が殉葬され国力を弱めた秦は、29世の献公になって従死禁止令を出したそうです。
